細谷農場では、房総十和田湖と呼ばれる「雄蛇ヶ池」の清らかな水と、古来からの肥沃な粘土土壌に恵まれた土地で、安心で健康的なおいしいお米を生産してます。
☆家族構成☆
7人家族。(家族労働力は3人です)
撮影日 2009年 9月17日(木) | |
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☆経営内容☆
水稲専業。
☆作付品種☆
・こしひかり
・ひとめぼれ
・いただき
第四十九回千葉県青年農業者会議農業青年意見発表の部 特別賞 受賞作品 (平成21年度)
『私の一番したい仕事』
山武農業経営体育成センター
東金市
細谷 虎太郎
去年4月に就農して、およそ一年が経過しました。
就農する前は、農業とは別の職種についていました。両親からは、『自分が一生したい仕事を見つけなさい』と、よく言い聞かされていました。
一番自分にあった職種に至る経過、実際に就農してどう感じたか、また、どのような経営にしたいかなど、発表させていただきます。
私の実家は、寝具店を営んでおり、それを手伝いつつ、当時、一日一日にあまり充実感もなく暮らしていました。
ある時、『一番好きな仕事って何なんだろう?』と考えました。
そして思い出したのは、小学生のころ。実家の庭で一日中、家庭菜園をしていたころのことでした。『そういえば、飽きることなく耕してたな・・・。』『え、もしかしてこれって天職?』。
周りの協力もあり26歳で、千葉県農業大学校に入学。
まったく農業知識もない私にとって、大学校の講義はわからないことだらけでしたが、学生の中には農業高校出身者が多く、いろいろと教えてもらいました。
そして、大学校で私が考えたことは、『自分に一番あった品目は?』でした。
それを見つけるため、在学中に水稲、果樹、花き、露地野菜(カブ、にんじん、サトイモ、など)いろいろな農家で、仕事をしました。
結果は、どれも大変でつらい作業でしたが、一日一日に充実感がありました。まさに、これが『私の一番したい仕事だ』とはっきりと感じた瞬間でした。
しかし、全てをすることはできないと悩んでいる中、当時働いている先であった水稲農家の細谷家から、養子縁組の話がありました。
両親に話したところ、『一生できる仕事なら行きなさい』と言われました。その言葉はかなり重く、縁組に関しても責任のある決断でしたが、大学校卒業後無事縁組もまとまり就農しました。
就農して、この一年間で、草刈、育苗、代掻き、田植え、水の管理、収穫などの仕事をしてきました。水稲栽培は一年中雑草との戦いですので、とても大変な仕事です。
しかし、一番感じたことは、やはり私にとって農業は、天職であるということでした。どの作業一つとっても、時間が経つのを忘れてしまうほどに没頭できるのです。
たとえば、草刈という作業では無の境地になることができ、すごく気分がすっきりします。そして、終わったあとに振り返ればきれいに刈られた農道。二重の気持ちよさがそこにはあるのです。
本当にこの道を選んでよかったと思います。
さて、我が家の経営に関してですが、日本はデフレスパイラル(物価、所得が下がり、その悪循環によりおこる失業などの深刻な状況)に突入しているようです。
そんな不景気ですが、水稲は、大規模経営となっていくのも現実ですので、それに向けての設備投資をしていかなければならないと考えています。
しかし、ただやみくもに設備投資しても、採算が合わなければ意味がありません。 先ほども話した経済状況ですので、できるだけお金をかけないで、振興センターの諸先生や農家の先輩にいろ いろと教えてもらいながら、家で工夫をし、少しずつ確実に設備投資をしていこうと考えています。
最後になりましたが、1週間ほど弟の結婚式でハワイに行ったときのことです。やはり日本人ですから、お米が食べたくなりまして、父がおにぎりを買って来てくれました。
とても食べられたものではなく、一口でギブアップしました。日本の食べ物は、米一つとっても世界に負けない力があると実感しました。
しかし、現地の人に価格を聞いてびっくり、なんとキロ100円・・・。
価格では、絶対に勝てないということも実感しました。
世界では、『質より量』では絶対に勝てませんので、『量より質』という信頼を武器に戦っていかなければ、この競争社会の中では生きていけないと思います。
そのためにも、両親からおいしいお米の作り方をしっかりと継承して、できることならその味に磨きをかけていきたいです。
そして、『私の一番したい仕事』である、『農業』の道を選ばせてくれた両親を裏切らないためにも、この仕事で一生を通して謳歌していこうと思います。
第五十一回千葉県青年農業者会議農業青年プロジェクトの部 (平成23年度)
稲作におけるチェーン除草の取り組み
山武農業経営体育成センター
東金市
細谷 虎太郎
1 課題設定動機・理由
細谷農場ではヌカ除草で完全無農薬の米に取り組んでいた。収穫時期になると毎年ノビエ等に困るなど、除草の効果的な方法を得ることが出来なかった。
私は以前から安心安全な無農薬栽培に興味があった。また、今年から無農薬栽培の田を任されたこともあり、チェーン・竹ぼうき除草を取り入れ、9俵/10aの収量を目的に本課題に取り組んだ。
2 計画樹立(経過)
チェーン除草機作成⇒代掻き⇒ヌカ除草⇒チェーン・竹ぼうき除草⇒雑草、収量調査
3 実験方法
(1)チェーン除草機の作成
2009年5月号で紹介されている「現代農業」と宮城・長沼太一さんのチェーン除草を参考に作成する。
(2)除草方法
@ 植え傷みを考慮して、田植え5日後にヌカ200kg/10aを散布した。
A イネの活着が確認できる10日後に水をたっぷり(水深15cm)入れて、内側にチェーン除草を行う。
B 外周・ヒエの抜けない土の硬い場所は竹ぼうき除草を(移植後7日目以降、約1週間おきに1〜3回)行う。竹ぼうき除草は田面を竹ぼうきではきながら歩き、草を抜く方法である。
(3)調査方法
@ 雑草調査
無処理区(50cm×50cm)、ヌカ200kg/10a区(50cm×50cm)、ヌカ200kg/10a+チェーン除草区(7a)の3区を設定。
ヌカ散布1ヶ月後、各区の雑草の数、重さを調査する。
A 生育及び収量調査
刈り取り前に稈長、穂長(30株の平均)、穂数(20株の平均)の調査。
代表株3株を抜き取り、収量調査を行う。
4 結果
(1)チェーン除草機の作成
塩ビパイプとチェーンで「縄のれん」状のものを作成して、浮かせるために心棒は塩ビパイプを用いた。パイプ中には、補強のために竹を入れた。鎖の間隔は3cmに1本(長さは30cm)とした。「浮き」の部分には、塩ビパイプで長さ2m直径5cmのもので、両端は塩ビパイプふたを用いた。「浮き」で「縄のれん」の心棒を挟むようにして、最後にキッチンフラックを骨組みとした。両側に1本ずつ20mのロープを取り付けて両方から引っ張れる形にした。
排水路で浮かせて試験をした。十分な浮力が3本の塩ビパイプで得られたが念のために500mlペットボトルを8本付け加えた。
(2)代かき
5月10日に1回目、5月15日に2回目の代かきをした。雑草は代かきによって埋め込むことができた。
(3)ヌカ除草
5月23日にヌカ200kg/10aを手で散布した。散布時間1時間/10a。雑草抑える効果はあったが稲が傷んだ。田植え1ヶ月後、ヌカ200kg/10a区は水が腐り6株中1株が枯死してしまった。
(4)チェーン除草
1回目(5月25日)では、ノビエがチェーン除草(1回)によって抜けたが1cm以下のノビエは抜けなかった。
2回目(5月31日)では、ノビエがチェーン除草(3回)によって抜けたが5cm以上1cm以下のノビエが残った。残った部分は竹ぼうき除草をして、チェーン除草(1回)した。結果5cm以上1cm以下のノビエが抜けた。
3回目(6月4日)の除草で、竹ぼうき除草をした。ノビエが抜けた。
4回目(6月7日)の除草で、チェーン除草(1回)。ノビエが抜けた。
外周は稲が抜けて空白部分が目立ったので、ほ植した(苗箱を2枚使用)。
5回目(6月14日)の除草で、チェーン除草(1回)。ノビエが抜けた。
1回当たりのチェーン除草時間は2人で80分/10aであった。竹ぼうき除草では1回当たりの作業時間は1人で5.7時間/10aであった。
(5)雑草調査結果
調査日は6月24日とした。
生体重(g/u)、数(本/u)
雑草名 区 |
ヒエ 生体重 数 |
シャジクモ 生体重 数 |
コナギ 生体重 数 |
ホタルイ 生体重 数 |
アゼナ 生体重 数 |
ウキクサ 生体重 数 |
無処理区 |
75 55 |
― 125 |
106 304 |
30 22 |
17 5 |
― ― |
ヌカ区 |
20 0.07 |
― ― |
3 0.04 |
1 0.17 |
― ― |
― 72 |
チェーン区 |
― ― |
― ― |
1 7 |
― ― |
― ― |
― ― |
(6)収量調査
調査日は9月16日とした。
稲の稈長は平均80cm、穂長は平均21.3cm、穂数は平均22.7本/株であった。籾摺り後、7畝で5俵と6.16kg(7.28俵/10a)であった。
5 評価と反省
(1)考察
@ 当初、チェーン除草だけでは効果を上げることは出来なかった。田んぼの田面が硬いところではチェーンで土を攪拌できなかったのか、何度やってもノビエは浮いてこなかった。時々、土が表面に出てしまうような水深の浅い場所も、やはり草が繁茂していた。そこで、竹ぼうき除草を組み合わせたところ、残ったノビエが抜けたことから、2つの除草方法を組み合わせることで除草の効果があることがわかった。
A 今回のチェーン除草では、1cm以下5cm以上のヒエには効果がなかった。1cm以下の場合はチェーンにひっかからず、5cm以上の場合は根が張ってしまい抜けなかったと考えられる。ヒエが生長する前に早期の除草が必要であることから、除草の間隔は4日ほどが良いと考えられる。
B ヌカ除草は、同時に稲も傷めてしまい、水の腐敗臭もあるため効果以前の問題があった。
C 雑草がほとんどなくなったために、昨年(4俵/10a)よりは収量はあがった。収量は7.3俵/10aで目標より1.7俵少なかったことから、堆肥・害虫対策などが必要であると考えられる。構成要素からは一穂もみ数が多くて登熟歩合が低いことから、ヌカのみの肥料調整は難しいと考えられる。
6 今後の課題と展望
収量の向上のために堆肥の施用(23年10月ヌカ・堆肥を施用済み)と品質の向上のためにコンパニオンプランツの導入(現在、田の周りに植える野生のニラ種取り(23年10月済み))、チェーン除草機の改良、除草にあった田んぼの改良など今後も完全無農薬栽培に取り組んで行きたい。
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